2011年10月2日日曜日

フルムーンバーの前に、まずは肩慣らし


またしてもこんにちは、山田です。(申し込みは一つ前の投稿をご覧ください)
前回のテクトニクスバーでご好評いただいた「10問トリビア」を、今回のムーンバーでも作ってみました!
まずは月についていろいろ知ってみましょう。

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(×でお答えください)

Q1:月は地球が誕生するよりも前から存在していた。

Q2:月は地球には存在しない岩石で構成されている。

Q3:月は大きく見えたり小さく見えたりすることがある。

Q4:月はだんだん地球に引き寄せられてきている。

Q5:月にはウサギが住んでいる。

Q6:これまで月面に着陸したのはアメリカ人だけである。

Q7:月ではまれに火山噴火が起こる。

Q8:月には水がある。

Q9 : 月の表面は、何億年も前の地形がそのまま残っていることがある。

Q10: 月の重力で地球は変形している。

(解答です)
A1 : ×、現在では地球の一部が小惑星の衝突によって放出され、それが固まって出来たと考えられている(ジャイアントインパクト仮説)。

A2 : ×、地球から分裂したので、岩石も地球とよく似ている。

A3 : 、地球の周りを楕円軌道を描いて公転しているので、近づいたり遠ざかったりしている。

A4 : ×、年間数センチ程度、だんだん遠ざかっている。

A5 : ×、見つかったら面白いですね!

A6 : 、アポロ計画で着陸した人だけである。

A7 : ×、月での火山活動は約25億年前に終了。

A8 : 、ただし、地球から分裂した際に地球から水が持って行かれたのではなく、後の時代の彗星の衝突でもたらされた。

A9 : 、地球と違って侵食・風化が起こらず、火山の噴火も止まってしまったため、稀に隕石が衝突してクレーターを作るくらいしか地形の変化がない。

A10: 、地球の岩石部分も変形するが、分かりやすいのは水の部分、つまり満潮や干潮といった、潮の満ち引き。
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どうでしたか?知っているようで知らない月の姿、面白いですね

2011年10月1日土曜日

フルムーンバー 〜地球惑星科学バーVol.4〜 募集開始!

こんにちは、山田です。

すっかり秋らしい雰囲気になってきましたね。自分としては、中秋の名月の頃はまだまだ残暑が厳しく、むしろこの時期の方がお月見したくなります。

秋は月について考えてみようということで、今回は「フルムーンバー 〜地球惑星科バーvol.4〜」開催のお知らせです!
夜空を見上げれば丸く光る月があり、人は古来からその神秘的な姿に様々な想いを馳せてきました。また、月は人間が唯一着陸した、地球外の星でもあります。
人間と非常にかかわりの深い星「月」について、あれこれ考えてみませんか?今回は月がどのようにして誕生したのかをコンピューターシミュレーションで研究している玄田英典さんをゲストに迎え、どのように月が誕生したのか、人間は月とどう付き合っていくべきなのか、話し合ってみましょう。

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【開催日時】20111016()13:00-15:0012:50開場)
【場所】アイリッシュパブ・クラン(clann) (東急東横線自由が丘駅南口から徒歩15)TEL: 03-3725-9116、住所:東京都 目黒区自由が丘1丁目8-18自由が丘ノーブル
【講師】玄田英典さん(東京大学・特任助教)
【ファシリテーター】山田健太郎(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ)
【対象】大学生・専門学校生以上
【定員】30
【料金】参加費500円+別途2 ドリンクオーダー(コーヒーなどのソフトドリンクもあります)
【募集締め切り】1015()
【主催】Universal Earth
【申し込み方法】お申し込みは以下のフォームからお願い致します
送信フォームはこちら
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ご応募お待ちしております!

2011年8月8日月曜日

フォローアップ:「テクトニクスバー」

 7月31日、地球惑星科学バーvol.3「テクトニクスバー」当日は生憎の雨模様でしたが27名の参加があり、真夏に相応しいとても熱い議論の場となりました!

 東日本大震災からもうすぐ5か月。あれから何がわかり、これからどう向き合っていけばいいのか。
また、関東でも余震が未だ頻発しているため、関東の地震も気になります。
 こうした疑問・関心に答えて頂くべく、今回のゲスト宍倉さんにまずは地震の基礎となるレクチャーから入っていただきました。

 地震の予測を考える上で、地震の3要素が重要になってくるそうです。それは「①いつ」、「②どこで」、「③どのように」起こるのか?ということです。
 これらを考える上で、「①いつ」を推定することが最も難しく、次に「③どのように」起こるのか、規模の問題が難しいとのことです。現在の予測精度では天気予報のような地震予知は不可能なため、ある程度の時間幅を持った予測になります。「②どこで」はある程度起こる場所は決まっているため、予測は比較的精度がいいそうです。
 東北地方太平洋沖地震は、2011年に起こりましたが、地質記録と古文書から869年に近い規模の地震があったことが分かっています。それが貞観地震と呼ばれる地震です。実はこの貞観地震について、宍倉さんたちの研究成果は、公表まで後わずかというタイミングでした。想定できていなかったわけではないのです。
 一方、関東地震は残された地形(段丘)から200~400年程度の周期を持って発生していることが分かっています。そうすると、次の関東地震(相模トラフを震源とし、津波を伴う海溝型地震)はまだしばらく発生しないということになります。しかし、1677年に千葉沖で地震があり、大きな津波が打ち寄せたことが分かっています。この地震の周期はまだよくわかっていないため、警戒が必要です。

 今回、多くの方々に参加して頂いたため、皆さんで話し合ってもらって、その意見を宍倉さんに届けようということで、グループディスカッションを行いました。6~7人で1班を作り、皆で問いの答えを考えました。

 個別にも、活発に質問・意見がでました。

 質問に、真剣に答える宍倉さん。テクトニクスバー終了後も、残った方々と暑く語り合っていました。
以下、印象的だった議論をいくつか書きます。

1:長い周期の地震ほど、その地震についての対策の費用対効果を検討することが難しく、例えば1000年に1度起こる地震について、1000年後の地震に有効と考えられる手段を今投じたところで、実際に有効かどうかはわからないと言えます。所詮は、今できる手段であって、将来は全く役に立たない可能性もあり得ます。人生よりも長いタイムスケールで起こる地震についての対策は本当に難しいわけです。
未来に地震の危険性を伝えるためには、対策だけでなく、教育や啓蒙活動を行って知識と知恵を伝えて行くことも大切です。

2:地層・地形に残る古地震の情報は常に不完全です。それを研究者は必至に読み解き、古地震像を復元することで確実性の高い情報に変換します。過去の地震をもれなく探してほしいという要求を感じつつ、研究者は日々研究に励み、1つでも多く事実を明らかにしようとがんばっています。

 今回、研究者側の視点と、一般の視点が上手く抽出された、良い議論になりました。      


次回の地球惑星科学バーは10月開催の予定です!(千葉)


2011年7月3日日曜日

地球惑星科学バー Vol.3 「テクトニクスバー」






地球惑星科学バー Vol.3 のお知らせです。
今回の地球惑星科学バーは、かつて起こった地震の履歴やメカニズムを地形や地層から読み解く(変動地形学・古地震学)プロフェッショナルである宍倉正展さん(産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター・海溝型地震履歴研究チーム長)をゲストに迎え、「東北太平洋沖地震」や「次の関東地震」といった話題について触れてみるとともに、宍倉さんを交えてみなさんに、グラスを片手に気軽にディスカッションをしていただきたいと思います。
地球惑星科学のロマンや社会との関わり、そしてそれを支える論理の面白さにぜひ触れてみてください。
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【開催日時】2011731()13:00-15:0012:50開場)
【場所】アイリッシュパブ・クラン(clann) (東急東横線自由が丘駅南口から徒歩15秒)TEL: 03-3725-9116、住所:東京都 目黒区自由が丘1丁目8-18自由が丘ノーブル
【講師】宍倉正展さん(産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター・海溝型地震履歴研究チーム長)
【ファシリテーター】千葉崇(筑波大学生命環境系)
【対象】大学生・専門学校生以上
【定員】30
【料金】参加費500円+別途2 ドリンクオーダー(コーヒーなどのソフトドリンクもあります)
【募集締め切り】730()
【主催】Universal Earth
【申し込み方法】お申し込みは以下のフォームからお願い致します

お申し込みを締め切りました!大変多くのお申し込み、ありがとうございました!



テクトニクスバーの前に、地震について一緒に考えてみましょう! 

【質問】基礎編
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Q1:地球上には絶対に地震が起こらない地域がある


Q2:地震を人工的に止めることができる


Q3:震度=マグニチュードである


Q4:地震が起こると先に弱い揺れ(初期微動)を起こす波が到達する



Q5:現在の科学をもってすれば地震は天気のように予知できる


Q6: 過去の地震の痕跡は目に見える形で必ず残されている


Q7:地震は繰り返し同じ場所で起こりやすい


Q8:津波は地震以外でも起こることがある


Q9:津波の波高=津波が到達した標高である


Q10:津波と高波は同じ現象である

(○×でお答えください)
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【解答】


Q1: 地球上には絶対に地震が起こらない地域がある
A1:×→プレートテクトニクスや火成活動がある以上、可能性は低くても必ず地震は起こります。プレートが動いて断層が出来たり、従来の断層がずれたり、地下でマグマが動いたりしても、地面が震えます。

Q2:地震は人工的に止めることが出来る
A2:×→自然に起こる地震を止めることは、現在の科学では不可能です。

Q3:震度=マグニチュードである
A3:×→震度は地震による各地点の揺れの大きさです。主に気象庁が震度計による観測値を元に発表し、10段階の震度階級があります。
マグニチュードは震源におけるその地震の大きさです。可能な限り多くの観測点でマグニチュードは求められ、その平均が発表されます。
ちなみに普通は震源に近い方が震度が大きいですが、たまに、震源から遠い方が震度が高くなることもあります。

Q4:地震が起こると先に弱い揺れ(初期微動)を起こす波が到達する
A4:○→地震波の縦波は最も速く(秒速約7km)伝わる地震波であることからラテン語で「最初の」という意味を表す"primae"の頭文字から「P波」と呼ばれます。これが初期微動と呼ばれる揺れを起こします。次に速く伝わる横波(秒速約4km)はラテン語で「2番目の」という意味の"secundae"の頭文字からS波と呼ばれます。これら地震波の性質を元にして緊急地震速報が出されます。

Q5:現在の科学をもってすれば地震は天気のように予知できる
A5:×→現在の科学では予報レベルの予知は不可能です。

Q6: 過去の地震の痕跡は目に見える形で必ず残されている
A6:×→巨大な地震であれば残されている可能性も高いですが、そうとも限りません。古文書の記録、地層中の津波堆積物(必ずしも地震の痕跡とは言えませんが)や液状化の痕、自身で変動した地形などを総合的に考えて判断するしか無く、「地震の痕跡」と「地震の発生」が一対一対応しているわけではありません。

Q7:地震は必ず繰り返し同じ場所で起りやすい
A7:○→活断層がずれれば過去と同じ場所で起こることになりますが、断層が無かった箇所に断層が出来て地震になることもあります。ただし、すでに断層が形成されている場合、断層がない場所よりも動く可能性は高いと言えます。


Q8: 津波は地震以外でも起こることがある
A8:○→大規模に海面全体が盛り上がる現象は、地震以外にも火砕流が大量に海中に流れ込んだり、巨大隕石が衝突したりすると起こります。


Q9:津波の波高=津波が到達した標高である
A9:×→波高は波自体の高さですが、津波が斜面を駆け上がるとき、波高よりも高い標高まで到達することがあります。


Q10:津波と高波は同じ現象である
A10:×→地震による急激な海底の上下運動によって海面の凹凸が生じ、それが津波となって伝わります。一方、高波は海面上で風が強く吹くことにより発生します。例えば台風の風により場合によっては10mを超える高波が発生することもあります。またこれらの違いとして、「波長」が異なることが挙げられます。波長は、波の山から次の波の山までの長さのことで、高波の波長は数~数100mですが、津波の波長は数~数100kmと大きく異なります。

(千葉)

2011年6月28日火曜日

梅雨はどこへやら…

こんにちは、ユニアスの山田です。
先週あたりから気温がグッと上がり、段々と夏らしくなってきましたね。
今日気象庁の天気図の48時間後予想を見たら、梅雨前線が東北付近に位置したままなんです。
梅雨は、南の方から太平洋高気圧が発達してきて、梅雨前線を北に押し上げることで「明ける」んですが・・・これで晴れ間が続けば、関東も梅雨明けでしょうかね。
九州では例年より2週間程度早く梅雨が明けました。ただ、梅雨入りも早く、空梅雨というわけでは無かったようです。むしろ降水量は例年の約2倍。しかし、関東は例年より雨が少なめです。もう少し梅雨が伸びても良いかもしれませんね。

気象庁のサイトには気象に関する様々な統計データが載っているんですが、自分で天気予報をして当たるかどうか確かめてみると面白いですね。数時間後くらいの予想なら、結構当たるんです。数年前にゲリラ豪雨が多かった時は、自分で大学の周辺の天気を予想して傘を持っていくかどうかを決めていました。
科学的に言うと「データ」の「解釈」をしているわけですが、データから導き出される解釈は得てして複数あるわけで、最もらしい解釈を採用するんですけど、もちろんハズれることもあります。
科学的に導かれた結論が必ずしも真理ではない、と言われると大層な文言のようですが、自分で天気予報をしてみると身近にその意味を感じ取ることが出来るんじゃないかと思います。

さて、山田家では出来るだけ冷房を使わずにこの夏を乗り切ろうと、扇風機の配置をいろいろと工夫しています。
ロフトで寝ているので、熱がこもって大変なんですが・・・我が家のロフトにはなんと窓があるんです。
最初は扇風機をリビングに置き、窓際の空気をロフトに送っていました。確かにロフトに風は来るんですが、寝苦しさはあまり変わりません。不思議です。
そこで、ロフトの窓の前に扇風機を置きました。風がビュンビュン当たってきて確かに涼しいんですが・・・うるさいです(笑)
そしてビックリ、網戸にびっしりとホコリが張り付いていました。外気を勢い良く中に取り込み続けると、網戸は汚れるわけですね。ロフトの窓の前が雨樋になっているのも原因の一つでしょう。
とにかく、これでまた扇風機の位置を変える必要が出て来ました。夏本番が到来する前に、最高の配置を見つけたいものです。
どなたかオススメの扇風機の使い方をご存知の方がいましたら、ぜひ教えてください♪

2011年6月27日月曜日

地球惑星科学バーvol.3へ向けて

はじめまして、ユニアスの千葉です。
普段は大学院で古地震・古気候を研究しています。
今回のサイエンスバーは、東北地方太平洋沖地震、関東地震に関する話題です。

実は、僕は宮城県の出身です。あの日多くのものが波に飲まれました。
昔起こった津波を研究している者としても、非常にショックでした。

研究者は現場を知らずにものを語ることはできませんし、人助けに肩書きはいらないと思ったので、今月初頭、宮城県(多賀城・東松島)にボランティアに行ってきました。
主な作業は床下の泥の撤去や、庭の泥の撤去でした。
こちらから用意する道具はマスク、ゴム手袋、長靴、レインスーツのみで大丈夫でした(宿泊施設がない場合はテントが必要です)。

ニュースで度々見られたような大きな瓦礫はまだありますが、人力では動かせないので、今後住める可能性のある家を中心に片付けていました。
アクセスがいいボランティアセンターでは、1日150人ほどの人が集まるそうです。
ただし、どんどんボランティアの数は減少傾向にあるようです。アクセスが悪い地域では、ボランティアの数がさらに少ない傾向にあるため、より深刻です。
ボランティアは主に3Kの作業ですが、会社を挙げて参加している方々や、学生も多くいます。ほとんど男女関係なく和気あいあいとやっています。
実際の被害の現実を直視する意味でも、現地との交流という点からも、そして人助けという点からも、やる意義は大きいと思います。
僕自身、現実を受け入れるきっかけにもなりましたし、地元の方々から逆にたくさん励まされました。
「何かしなければ」と思い当たったら、確実に力になれる方法ですので、ボランティアへの参加はお勧めです。今後も需要は大いにあります。

そして、ボランティアに参加しつつ、改めてサイエンスコミュニケーションを通じて、地震を見つめなおす必要があるとも感じました。古地震の情報について、津波の情報について、そして現実的な地震予知とは?その理解のためにはやはり直接研究者との語り合いが必要です。こうしたことは、直接被災していない地域で行うことが大切だと思います。例えば首都圏ではこれからどうすればいいのか?

僕らに今できること、その方法の一つがこのサイエンスバーだと思っています。

詳細の発表まで、もう少々お待ちください。

2011年6月10日金曜日

日本科学未来館、6月11日に震災後再オープン(の予定)

ご無沙汰しております。
ユニアスのさとうけんじです。

突然ですが、3月11日以降臨時閉館していたお台場の日本科学未来館。
ちょうど3ヶ月後の明日、6月11日に再オープンの予定みたいですね。

「つながりプロジェクト」や

「メイキング・オブ・東京スカイツリー」など


気になる展示が目白押しです。
http://www.miraikan.jst.go.jp/

新年度になってからおかげ様で忙しい日々を送っていますが、
たとえどんなに時間がなくても未来館には行きたいです。

ユニアスと未来館は切っても切れない関係にあると、
個人的には思っています。
理由を知りたいかたは、次回7月下旬開催予定の
地球惑星科学バーvol.3にお越しくださいw

次回の地球惑星科学バーでは、「地震」をテーマに取り上げます。
現在、スタッフ一同開催に向けて準備に奔走しております。

日程やディスカッションのポイントなど、
詳細が決まりしだいブログやツイッター、mixi、Facebook等で
お知らせいたします。

ユニアスファンやそうでない方も、しばしお待ちを〜

さとうけんじ