地球惑星科学バーにゲストとして参加していただいた方々は、現在どのような活動をされているのでしょうか?
ということで、第1回目のレポートは、vol.3テクトニクスバーで古地震の話題を提供していただいた宍倉正展さんの現在を追ってみました!
宍倉さんは目下、3.11に関する業務で大変忙しいそうです。ですが、その間を縫って、各方面へ東北地方太平洋沖地震や貞観地震、関東地震についての講演や解説を積極的になされています。
2012年5月18日に津波堆積物ワークショップ(日本堆積学会 津波ワーキンググループ)が千葉大で開催されました。
宍倉さんはそこで、パワーポイントや地層の剥ぎ取りを用いて、貞観地震及び、東北地方太平洋地震などの津波堆積物や地殻変動についての講演をされました。
館山の隆起地形 隆起地形に残された旧海水準を示す生物化石
5月19日にはその巡検があり、1923年大正関東地震で隆起した地形と、1703年元禄関東地震で隆起した地形が観察できる房総半島の海岸へ行きました。この隆起地形の年代を決定したのは宍倉さんです。こうした地形の隆起量から断層モデルが考案され、古地震象を復元します。地形に残された地震の痕跡はとても興味深いですね。
さらに、宍倉さん最近本も書かれています。2冊紹介します。
・次の巨大地震はどこか!
・巨大地震をほり起こす 大地の警告を読みとくぼくたちの研究
2冊とも、宍倉さんが実際に観察された地形や採取した地層などの試料を用いて、地震が残した痕跡を分かりやすく解説されています。古地震研究者が行っている研究方法についても親しみやすく書かれています。古地震学で実際に扱っている対象が見られる一般書は少ないですので、とても貴重だと思います。今年4月に出版された「巨大地震をほり起こす 大地の警告を読みとくぼくたちの研究」は、小学生向けにとても噛み砕いた内容で分かりやすくなっています。どちらも是非ご覧になってみてください! (千葉)
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