2013年10月21日月曜日

「底生生物バー」開催レポート!

 ユニアスの千葉です。9月8日に底生生物バーを開催しました!
遅くなりましたが、開催の様子をアップします。
 
 
 ゲストに清家さんを迎えて、楽しい時間を過ごしました。
久しぶりの地球惑星科学バー@クランということと、サイエンスZEROの取材もあってスタッフも緊張気味でしたが、ユニアスらしいざっくばらんな議論を交わすサイエンスバーとなりました。
 
 
  「世界は穴でできているといっても過言ではない」
 底生生物研究者らしい名言でイベントがスタートしました。
思い出してみると、確かに海岸はカニや貝の巣穴だらけです。ということは、その生痕(巣穴の痕跡)は無数にあるということですので、海底や使用済みのものも含めると確かに穴だらけ・・・
見えるようで見えない穴の奥の魅惑の世界は確かに面白い研究対象です。そしてそれは生痕化石として地質学的タイムスケールで残されていくわけです。

 その巣穴を型取る秘密兵器が清家さん考案のアナガッチンガーです。
アナガッチンガーですが、先日まで科博で行われていた深海展でも展示されていました。ご覧になられましたか?とてもシンプルなキットでしたね。
シンプルな構造かつ取り扱いが簡単で、確実な成果が出せるキットというのは、論理的に考えなければ考案できないものだなと思います。優れものです。
アナガッチンガーへのより詳しい説明と動画はこちらから(金沢大・ロバートさんのHP)。
 
 
 バーの後半、 「底生生物(ベントス)は、沿岸域の食物連鎖や、沿岸域の景観、沿岸域の漁業においてとても重要な役割を担っています。 しかし沖縄や有明海のように、沿岸域は人類活動の場と重なることが多く、開発が優先されることが多い場所でもあります。ベントスの保護と開発のどちらを優先させるべきだと思いますか?」という議題での議論は特に白熱しました。
 
 災害もしくは開発により生態系が破壊された場合、それは「戻る」ことがあるのでしょうか?時々刻々と変化する地球上の環境に合わせて、生物群集もその組成が変化してきました。過去のどの期間においても、自然環境及び生物群集がずっと同じ状況だったことはないはずです。過去のどの時点に戻せば環境を戻したことになるのか、どうすれば戻したことになるのか、評価が難しい問題ですね。環境保全、環境復元という問題は、議論が尽きないテーマでした。
 
 
 次回はサイエンスアゴラ@未来館で、語り合いましょう!